Report

Report

先日、店舗をお休みし生産現場の視察へ行きました。


現場と店舗は近いようで遠い存在。

私たちはアパレル業界にはそれなりに長く携わっていますが
なかなかこういった機会はありませんでした。


製品になるまでの流れを理解はしているものの
実際に目にしてみないと分からない現場での苦労や大変さ
温度感みたいなのを商品と一緒にお伝えしていきたいと思い
相談したところ快諾していただけて実現しました。






向かったのは倉敷市児島。

そう、デニムの聖地です!



縫製と加工

1日かけて3つの工場をアテンドしてもらいました。





まずは縫製工場から。


ここでは裁断、縫製、アイロン仕上げなど
ロール状の生地が製品の形になるまで
ほぼ全て行われています。




作業されている方より遥かに多いミシン。


一つのミシンで全て縫い上げるわけではありません。

縫う箇所によって縫い方や針
場合によっては糸も変わります。






一つ一つのパーツごとに人とミシンが分かれていて
工場内を流れ歩き少しずつ製品になっていきます。




中には熟練の技術がないと縫えない箇所、扱えないミシンも。



作業スピードに反して、手元の繊細な作業はさすがでした。






1つの製品が出来上がるまでに約2時間、、

作業工程の多さを実感しました。



ここは工場とはいえ工業的な外観ではなく
ビルの1フロアを作業場として使っていて
こういった中小規模の工場が児島内に点在しているそうです。





次に向かったのは加工工場。


こちらは2社見学させていただきました。


それぞれ設備的に出来る出来ないがあったり特色があったり
請け負う仕事の棲み分けをされていると感じました。



一口に加工と言っても様々な手法があります。



大きな洗濯機を使用した洗い加工



軽石と一緒に回します
数種類の中から適した軽石を



洗い上がり後は大きな乾燥機へ





こちらの洗い場はとにかく熱気がすごく
とても過酷な環境でした。





洗って色を落とすだけでなく
立体感のある表情を与えるために
穿きジワ(通称ヒゲ”)を加えたり
穿き込んだ雰囲気を出す加工もあります。



塩素を薄めた液体を布に取り擦っていき
洗いを繰り返す加工





電動やすりで擦る加工


手作業でも



グラインダーを使ったダメージ加工



ポケットの淵や裾の当たりを付ける加工



勢いよく砂を吹き付け色を落とす加工



ヴィンテージに近づけるために塗料を吹き付ける加工


: 加工前
: 加工後




ペンキを散らすペイント加工
床に飛散したペンキ



最近ではサスティナブルの流れもありエコな洗濯機を導入



これにより塩素の量、水の量を少なくすることが可能に。

しかし、全てにおいて対応できるわけではないので
現行のものと使い分けをされているそうです。

見るからにハイテクな機械でしたが
イメージ通りに仕上げる為には
経験と感覚が必要と言われていました。



他にも、こちらには設備がありませんでしたが
レーザーで色を落とす加工も存在します。

効率は良い反面、手作業でしか出せない縦落ちの繋がりや
面構えがあるそうです。




また、加工はまっさらの状態のものに手を加えるわけですが
色の濃さ、ヒゲの落ち方、ダメージの入り方など
同じ製品として出す以上、異なるわけにはいきません。



1本1本チェック、ズレがあれば調整をして
均一に仕上げています。





縫製と加工の現場を目の当たりにすると
非常に多くの工程がありたくさんの方の手を渡り
巡り巡ってお店まで届けられていると改めて実感し
その大部分が手作業であったり
技術・知識・経験・感覚が必要で
テクノロジーが進化した現代においても
熟練の技と頭脳がなければ成り立たないと感じました。

また、どんなに素晴らしい技術
ハイクオリティな製品、熱い想いも
最終的に愛用していただく皆様に届いてこそだと思います。

価値あるものを過不足なく伝えていく

私たちはその窓口として重要な役割であると再確認しました。



そして、2024年秋冬シーズンより
この過程を経て誕生するブランドがあります。




CLOFE

海や山に囲まれて暮らす私たちだからこそ感じる
日々の自然の豊かさと、都会ならではの洗練された空気感。

そのどちらの良さも取り入れることで、
着る人のさまざまなライフスタイルに寄り添える服を。

上質でありながら日常になじむアイテムを提案します。




rest store でもお取り扱いスタートです。

シルエット・履き心地はもちろん
その背景も含めてご提案させていただきたいと思います。

914日 土曜日発売です。

ぜひ、お楽しみに!






この度の視察で各工場の方々には
貴重なお時間を割いて丁寧にご説明していただきました。

ご関係者の皆様に、この場を借りて感謝申し上げます。


Back to blog